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「はやく帰って来てよ!」
「へへ、分かってますよ」
トイレを許可された俺は表情が緩んでしまった。
小走りでトイレに向かおうと出口の方に足を運ぶと他の生徒たちの視線が集まってくるのを感じた。
そしてその中の一人が目につき、目があった。
強くそして悪そうな顔付きのそいつが気になったのだ。
俺はそいつに話しかけた。
「コラ!!ガキ、何見てんねや!?」
「見てないですよ」
そいつは愛想笑いとも苦笑いともとれる気色わるい笑顔で答え目を伏せた。
「早くいきなさい!」
両堂に促されるもそいつに対し小声で
「トイレで待ってるからお前も五分後来いや。こやんかったら分かってるな…」
と耳打ちをした。
「はい」
そいつは弱気で答えた。
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