第1話 転入生

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~昼休み~ 「健。行くぞ」 健太郎は皆に『健』と呼ばれている。 ちなみに龍之介は、『龍』と呼ばれている。 「あぁ、ちょっと待って、龍」 2人は、昼休みに屋上で弁当を食べ、ひなたぼっこをするのが日課である。 健太郎はバッグから、弁当を取り出した。 「よし、行こうか」 屋上には、基本的には誰もいない。 もちろん、今日もいない…。 2人は弁当を開けた。 「「いただきます」」 と言って、食べ始める。 「なぁ、健」 「ん?」 「今日、アイツが言ってたことの意味、分かった?」 「あ?アイツって?」 「転入生の……えっと…『神木』だっけ?ソイツ」 「ああ。別に。何も考えてないよ。ただ…」 「『ただ』?」 「アイツは、登校中に頭をぶつけたんだろうな…うん」 「なんだソレ…期待して損したぜ」 龍之介は鼻で笑って言った。 「お前、今鼻で笑ったろ?」 健太郎は多少怒り気味に言う。 「別に」 龍之介は素知らぬ顔で答えた。 「まったく…」 そんな話をしてる内に、2人は弁当を食べ終えた。 「「ごちそうさまでした」」 「健、オレ、ちょっとトイレ行ってくる」 「ああ、行ってらっさい」 龍之介は、小走りでトイレに向かった。
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