9人が本棚に入れています
本棚に追加
~昼休み~
「健。行くぞ」
健太郎は皆に『健』と呼ばれている。
ちなみに龍之介は、『龍』と呼ばれている。
「あぁ、ちょっと待って、龍」
2人は、昼休みに屋上で弁当を食べ、ひなたぼっこをするのが日課である。
健太郎はバッグから、弁当を取り出した。
「よし、行こうか」
屋上には、基本的には誰もいない。
もちろん、今日もいない…。
2人は弁当を開けた。
「「いただきます」」
と言って、食べ始める。
「なぁ、健」
「ん?」
「今日、アイツが言ってたことの意味、分かった?」
「あ?アイツって?」
「転入生の……えっと…『神木』だっけ?ソイツ」
「ああ。別に。何も考えてないよ。ただ…」
「『ただ』?」
「アイツは、登校中に頭をぶつけたんだろうな…うん」
「なんだソレ…期待して損したぜ」
龍之介は鼻で笑って言った。
「お前、今鼻で笑ったろ?」
健太郎は多少怒り気味に言う。
「別に」
龍之介は素知らぬ顔で答えた。
「まったく…」
そんな話をしてる内に、2人は弁当を食べ終えた。
「「ごちそうさまでした」」
「健、オレ、ちょっとトイレ行ってくる」
「ああ、行ってらっさい」
龍之介は、小走りでトイレに向かった。
最初のコメントを投稿しよう!