9人が本棚に入れています
本棚に追加
「さて、おれは一眠りするかな」
そう言って、持参の枕をしき、タオルを顔にかけて、眠り始めた。
が、その眠りを妨げる者がいた。
「お~い、起きてよ」
声の主はそう言いながら、健太郎の頬をペチペチと叩いている。
健太郎は、多少不快感を感じながらも、タオルをとり、起き上がって、声の主を見た。
「お前…転入生の…『神木』…か?」
まぶしいのか、健太郎は半分ぐらいしか、眼を開けてないので、半信半疑なのだ。
「ヘェ~!!覚えててくれたんだ!!
あ!ぼくのことは『神太』って呼んでいいから」
声の主、神太は、ものすごく明るく振る舞った。
「で?何の用だよ。
おれの眠りを妨げたりして」
健太郎は、皮肉を交えながら言った。
それに対し、神太は苦笑しながら謝った。
「あはは…ごめんごめん」
しかし、神太は謝った後、直ぐに真剣な眼差しになった。
「用件は…ぼくの質問に答えて欲しいんだ」
「質問…?」
健太郎はしかめっ面をして聞き返す。
「いいかな?」
神太は、慎重に聞く。
「ああ、いいよ」
健太郎は、
(軽く流して、また寝よう)
そう思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!