第1話 転入生

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「さて、おれは一眠りするかな」 そう言って、持参の枕をしき、タオルを顔にかけて、眠り始めた。 が、その眠りを妨げる者がいた。 「お~い、起きてよ」 声の主はそう言いながら、健太郎の頬をペチペチと叩いている。 健太郎は、多少不快感を感じながらも、タオルをとり、起き上がって、声の主を見た。 「お前…転入生の…『神木』…か?」 まぶしいのか、健太郎は半分ぐらいしか、眼を開けてないので、半信半疑なのだ。 「ヘェ~!!覚えててくれたんだ!! あ!ぼくのことは『神太』って呼んでいいから」 声の主、神太は、ものすごく明るく振る舞った。 「で?何の用だよ。 おれの眠りを妨げたりして」 健太郎は、皮肉を交えながら言った。 それに対し、神太は苦笑しながら謝った。 「あはは…ごめんごめん」 しかし、神太は謝った後、直ぐに真剣な眼差しになった。 「用件は…ぼくの質問に答えて欲しいんだ」 「質問…?」 健太郎はしかめっ面をして聞き返す。 「いいかな?」 神太は、慎重に聞く。 「ああ、いいよ」 健太郎は、 (軽く流して、また寝よう) そう思っていた。
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