幼なじみ

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  「菜月、今週末から塾に行ってもらうから。サボったらおこづかい無しね」 1学期の中間テストの結果を見ながら母親に宣告された。高校2年、あまりに残念な知能の娘に呆れた果てたのだ。 (週末は珠子と買い物に行く約束があるし、17歳青春真っ只中の私は何かと忙しい!塾なんか行ってられっか) 心の中で思いつつ「わかった、わかった」と返事をして自分の部屋へ逃げようとすると 「あ。5階の悠斗君が行ってる塾だから一緒に行ってね」 ぴたりと足が止まる。 それを早く言ってくれないと。 母親のこの一言で週末の予定は決まった。
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