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『女の子預かって!!』
「…………はぁ?」
友人のあまりにも突拍子もないその発言に、青年は思わずそう言った。
『イヤホントマジ頼むから、お願いします神様仏様啓様』
「とりあえず落ち着け。
……ていうか、誰だよ、女の子って。
お前が誘拐してきた子か?
なら断る」
『ちっがぁう!!断じて違う!!
俺二次元の女しか興味ないもん!!』
「……オイ、自分で言ってて寂しくないのか」
青年―――九条啓は、呆れたように嘆息する。
電話越しにも聞こえたそれを聞いて、山浦凉也は慌てて反論した。
『寂しくないさ!!だってパソコン点ければいつだって会えるし抱き枕あるから寝るときも一緒だしポスターだって』
「だから落ち着け。
お前が非常に寂しいヤツだってことは分かったから落ち着け」
なんで啓は分かってくれないのさ……と、未だぶつぶつ呟く声が聞こえたが、啓は華麗にスルーして話を戻した。
「んで……結局女の子って誰なんだよ」
『よくぞ聞いてくれました!!やったー啓が預かってくれるーやったー』
「そうとは言ってない。
とにかく誰なんだ」
『よくぞ聞いてくれました!!』
「だから誰だって……―――」
『―――アンドロイド。
俺が作った―――アンドロイド。』
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