月明かりの下で紅きは揺れて

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だが…                           「それなら心配いらん、さっき七席から連絡があってな、もう明日には帰ってこれるらしい。」                 現在、麻由理は明日からだが七鬼衆の半数が任務に付いている。                それは長老派も幹部を何人か出しているようだが。                      つまり現在互いに主力が減った状態で互角、そこで麻由理が抜けるとはっきり言って不利になるが、今まで任務に付いていた一人が帰ってくるらしい。                      「だから私を行かしたのね。」                「ああ、任務は覚えてるだろ?」               「あなたを殴りたいと言う恨みと共にね。」                         「上等、ちゃんと遂行しろよ?」               ケラケラと笑みを浮かべ、どこから出したのか、旋利の杯とは色違いの物を麻由理に差し出す。                 「任務の無事を祝って一杯どうだ?」                            「それを言うなら祈ってよ、一応付き合ってあげるわ。」                   口元に笑みを浮かべ、杯を受け取り旋利の隣に腰掛ける。                   月を、満天の星空を見上げながら、紅髪と紅いコートは静かに酒を飲んでいた。
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