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さも当然のようにそう答えた人物は、無表情で青年を見下しながら、冷たい目線を青年に向ける。 心なしか、背中に真っ黒なオーラらしき物を纏って。 「え、えっと…何故苛立っているのでしょうか麻由理さん?」 オーラに気が付いた青年は、ついびくつきながら機嫌を損ねないように尋ねる。 その様子は、まさに蛇に睨まれた蛙だった。 「あら、自分で分かっているでしょう?」 無表情を崩し、ニッコリと笑みを浮かべる麻由理は美しく、見るものによっては女神に見えたかもしれない。 ただしその眼は一切の笑みを浮かべておらず、より冷たさを増していたのだが。 器用だと思いつつも、青年は麻由理が苛立っている原因を考える。 が、分からない、確かに彼女には妙な任務を押しつけたが、それは帰ってからだと彼女が宣言している。
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