月明かりの下で紅きは揺れて

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「恨むのは仕方がないけど、もう一つの気持ちは確実にバレてるわよ?」                           「あんなことすりゃ分かるだろうな。」                           再び月見団子を口に放り込む旋利は、先程の様子が嘘のように無くなっていた。                        「バレるのはバレて構わん、よりイジリがいが出てくるもんだ。」               「どうやったらそんな考えに至るか詳しく聞きたいわね…」                  初めて会ったときからそうだったが、まったくこの男の思考が読めない。                           時には深く時には浅く、様々な事を考える旋利、その性格はまるで雲のよう。                         今までの頭主とはまるで違う、ある意味では誰よりも自由奔放、唯我独尊。                          変人、古い言葉ならうつけ、そう長老派からは陰口が叩かれるぐらいだ。                           強ち間違っていないのだが。
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