海の風

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マルセイユは小さく頷いた。 小さな嘘だ。 この剣を使うことはないだろう。どんなことがあっても。 シャラヌの傍に居ること。 それが、私の旅の答えになる。そう、自分の心が言ってる。 マルセイユの頷きに、シャラヌは微笑みで返した。 「さ、行くか」 そうして、ゆっくり町の中心部に向かって歩きだす。 「どこ行くの?」 「どこって?宿~。お前に借りてやった宿、もったいないから朝までとまろーぜ」 「・・いいけど」 マルセイユの鼓動が早まった。 シャラヌが、マルセイユの剣をもっていないほうの手をとり、歩きだした。 手をつないで、夜の町を歩く。 ねぇ、シャラヌ・・・ なんだろうね? この気持ち。 シャラヌの事何も知らないのに。  何でも知ってるような気持ち。 ・・・懐かしい気持ち・・ ねぇシャラヌ・・ 笑うかな?? 会ったばっかりなのに。 勘違いだよって・・ 笑うかな・・・
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