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「初出場マルセイユ・ルアン選手」
進行役の声と共に道場奥から女性選手が現れる。
美しい。
背中まである、ゆるやかにカーブを描いたつややかな栗色の髪を一つに束ね、すっと伸びた背は、気品を感じさせる。
大きな目の奥の透き通りそうな茶色の瞳は潤んで、みつめられるとどんな男も落ちてしまいそうだった。
長いまつ毛が影を落とす白い頬はほんのり薔薇色にそまり、ぽってりとした桃色の唇は形よくきゅっと結ばれていた。
「・・ほぉ」
その場にいた全員が言葉を失っていた。
「あ、あの?」
沈黙を破るように、マルセイユが形のよい唇から言葉を発した。
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