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「そうでしたか大変申し訳ありません、新しく組み直しま…」
「あたしは大丈夫よ!」
進行役を遮りマルセイユが突然断言した。自分の力には自信がある。
「彼女がいいなら、僕もいいよ。ただし手加減しないからね」
「そっちこそ、痛い目に合っても泣くんじゃないわよ」
どうやら2人は納得のようだ。
「ということでしたら…試合をはじめましょう」
審判が、場を取り繕うように言った。
「おう!」
シャラヌが返事する。
「男だからって、負けないわよ!」
マルセイユが飛び出した。
マルセイユの長い足が軽やかに舞う。
ガシ!
シャラヌはその足を片手で受け流した。
「やるわね!」
「何が?」
マルセイユが再び、今度はシャラヌに足払いをくらわせようとする。
シャラヌはヒョイと飛びあがった。
高い。常人では考えられない高さだ。
観客の間でどよめきがおこる。
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