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一人取り残された千絵
呆然とアリスのいた所を見つめていた
「―ッ!!何をしてるんだ俺は」
ふと我に返る
「早く…早く帰らないと」
「何処に帰るんですか?」
この声はあの時の!!
後ろを振り返る
白髪に白服白兎の耳をつけていた容姿端麗の男だった
しかし今の千絵にはそんな事気にも止めなかった
「お前!!!早く俺を…」
「名を申し遅れましたね」
「別に知りたくない!!」
ギリッと睨みつける
「おやおや,野蛮な猫ですね~,
しかし女性は優しく扱わないといけませんしね」
やれやれと手を挙げ首を振る
「黙ったらどうだ?」
頭がグツグツと煮えたぎる
「貴方に私を黙らせるなんて不可能ですよ~クスッ」
その真っ白い男は千絵より
10cmも大きく腕力もあるだろう
あんな軽々と自分を担ぎ上げた男に勝てるわけがない
「―!!早く俺を帰らせろ!!」
「口の聞き方がなってませんよ,年上には敬語を使うものです.」
「お前が勝手に連れて来たんだろ!!」
「…チェシャ猫」
ビクッ!!
真っ白男の声が低く冷酷に変わった途端
千絵の体が動かなくなった
ニコニコ笑ってる顔からも殺気に満ち溢れて
”お前なんていつでも殺せる“
そういう表情だった
¨
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