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「では口喧嘩はここまでにしときましょう」
ハクトから殺気が消えていた
「貴方には重要な事をいくつか教えて差し上げます」
さっきとはまるっきり別人
「…さっさと教えろ」
「まずは,貴方がチェシャ猫の意味です」
「……」
「貴方がチェシャ猫になる事を望んだのです」
意味が分からない…
俺がいつそう望んだ?
「…何故?」
「私にも分かりません
何故,忌み嫌われるチェシャ猫を選んだのか…
アリスになれば
貴方を嫌いにならずに済んだのに…」
「何の事だ?」
「いぃえ.何でもありません
チェシャ猫貴方の設定は
忌み嫌われ人を惑わす存在」
「…嫌われ…惑わす?」
「私は導く設定,貴方は私にとってタブーな存在です」
「俺もお前が嫌いだ,調度いいな」
「ふふ…後は自力で思い出しなさい.私が導くのはアリスだけですからね」
「…………」
「では,また会いましょう」
ふっと微笑んだ後
白薔薇の花びらが散り
ハクトの姿は一瞬で消えていた
…帰り方も自力で考えろって事か糞兎め
千絵は兎に恨みを募らせていった
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