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一人の少女がいた
彼女が街を歩けば老若男女問わず皆が彼女を
凝視する
漆黒ながらも紫がかった髪の色はストレートで
肩につくかつかない程度
細めの二重で黒真珠の中に秘めた金色の瞳
白い肌によく通る鼻筋
華奢な体で高めの身長
彼女はどこからどう見ても
“美少年”だった
しかし千絵は学校帰りの途中
周りの人々は千絵の
制服姿に驚愕している
“…スカート?”
彼女を感嘆する一方
疑問を投げ掛けてくる
千絵にしてみれば
失礼な話しなのだが
彼女は全く気にしていない
むしろその方がいいと
思っているようだった
男友達には慕われ
女友達には光栄の眼差し
何より男らしく振る舞える
千絵は自分自身の一人称を
“俺”と使っている
周りは何も否定しない
するわけない
彼女自身
男になりたいと望んでもいたのだ
¨
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