Episode01

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高校3年。 ここは、とある県の田舎町。 季節は七夕前のころ。 そこは星のきれいな町だった。     思えば、俺となつみの出会いはこの木の下だった。 一人でそっとギターを弾こうと、小高い丘、大きな木が一本あるここに来た。 俺のお気に入りの場所。 今日は、先客がいた。 一人の綺麗な女性。 とても上品そうで、そう、この俺、加瀬純也が一目惚れした初恋の人、三原なつみだった。   彼女は俺に気付くと、にこやかに微笑んで、   「こんばんわ」   そう言ってくれた。 沈みかけた夕焼けで朱に染まるなつみは、色っぽかった。 その美しさに見とれ、返事が遅れてしまった。   「あっ。こんばんわ」   彼女は、指を丸めた手を口に当てて笑った。   「あなたは高校生?」 「は、はい」   受験に受かってるし、ほとんど高校生みたいなものだった。   「先輩ですね。あっ…、そろそろ時間。私は先に失礼させてもらいます」 「はい」 「またどこかで会いましょう」   彼女は、腕時計をもう一度確認して、手を振って去った。 とっても短い時間が長く感じた。 その後すぐに、純也はウキウキしながら、彼の親友である本田剛にメールを送った。
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