35人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし、よく線香なんて持ってたな」
「舞花ちゃんが暴れた時に被害に合った人をすぐに供養出来るようにいつも持ち歩くようにしてるんですよ」
「ちょっと桃。わたしがいつも暴走してるみたいな言い方は止めてよ」
「もう忘れた? 3日前の事だけど」
「……」
桃にそう言われた舞花はそっぽを向いて黙ってしまう。
え?
舞花って俺が知らない所でそんなに暴走してんの?
「あの事は……もういいじゃない。昨日、葬式にも行ったんだし」
葬式!?
え、なに?
殺ったの? 殺っちゃったのか!?
「うーん……そうだね、もういいか」
いいの!?
そんな簡単に!?
……今聞いてしまった事は全て忘れる事にしよう……舞花、たとえお前が殺人者でも俺達の仲間である事に変わりはないからな。
「さて」
舞花から受け取ったライターで線香に火を付け、その線香をボロ雑巾と化した修吾の前に置き、俺は顔の前で手を合わせる。
「迷わず逝けよ、修吾。思えば、良い奴だった……」
これでもう、俺は修吾に会えなくなるのか。くぅ、目から汗が。
「勝手に人を殺すんじゃねぇぇぇぇええええっ!!」
「でよー、舞花」
「無視!? 無視ですか!?」
最初のコメントを投稿しよう!