一通の手紙

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「いや~……楽しかったなぁ~……」 「ちょっと拓人!? そんな死を目前とした人がするみたいな遠い目をしてないでもっとスピード上げなさい!!」 このショートカットの髪型をし、つり目で勝ち気な雰囲気を持ったこいつの名前は《朝霧 舞花(あさぎり まいか)》。 なんでも、実家が朝霧流古武術とか言うものの道場を開いており、その影響で舞花自身もサ◯ヤ人並の戦闘力を持っている。 舞花も裏生徒会の一人で、役職は会計だ。 「くそっ! 樺山の奴、陸上部の連中まで連れて来やがった!? 今日は本気で俺達を捕まえる気だぞ!!」 この馬鹿っぽい顔をした男は《鎌地 修吾(かまち しゅうご)》。 一部では有名なオタクらしい。その無駄に高い運動能力をいつも間違った方向に全力で使っている男だ。 修吾も裏生徒会の一人で、役職は俺と同じ副会長である。 実は、現在はこの二人と一緒に《VS裏生徒会教師軍》から全力で走って逃げている真っ最中だったりする。 いや~、あまりにも絶望的な状況だったからつい過去の回想したりとみんなの紹介したりして現実から目を反らしていたよ。 はっはっはっはっ。 「ってそんな場合じゃねえっ!?」
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