奏でる指先

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舞台袖に引っ込んだ私たちは、ひっそりとその光景を眺めていた。 「すごい人気だな?」 私は少々げんなりして呟くと、 「どうやら、そうみたいっすね。」 和泉は苦笑いを浮かべて同意した。 「さあ、無駄口を叩いていないで仕事をしてくださいね?」 と真白が私たちに忠告すると、 「そう言う佐伯先生こそ、教職員席にお戻りになられたらいかがですか?あなたは生徒会とは全く関係ないですよね?ここは関係者以外立ち入り禁止です。」 と環に反撃された。 「僕は部外者ではありませんよ?何故ならば、僕は澪さんの夫ですから。」 しかし、真白はまったく意に介していなかった。
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