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裕理が緋芽に駆け寄ると、緋芽はブレザーを羽織ってしゃがみ込んでいた。
その体は、まだかすかに震えていた。
「緋芽…ごめん…
あたしの代わりにあんな目に遭わせて…ほんとにごめん…」
裕理は泣きながら緋芽に謝った。
「大丈夫よ…
今日のことはこれから生きてるうちに忘れる。
殺されなかっただけ良かったって事で」
「緋芽…大好き…」
「何言ってんの。そんなの知ってる」
緋芽は裕理の頭を撫でながら立ち上がった。
「岡里くん…と…」
「あ、俺は榊陽翔」
「榊くん。2人ともありがとう。
2人がいなかったら、あたし達はこんな事じゃすまなかったかもしれない。
本当にありがとう…」
「いいんだよ。裕理ちゃんが俺達に助けを求めてこなかったら気づかなかったし…」
「そういえば…岡里くん、何であたしの名前…」
疑問に思った裕理が司に質問した。
「…天沢さんが裕理ちゃんの名前呼んだりしてたから…かな…
ってか裕理ちゃんって呼んでるけど…」
「全然いいよ!」
「そっか。
あ!俺これからバイトあるから…
陽翔、今日は2人と一緒に帰ってやれよ!」
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