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裕理はバスに乗り、自分の家へと帰っていった。
陽翔と緋芽は2人で歩き始める。
2人は沈黙した。
そんな沈黙の中、陽翔は思った。
(こういう時って男が場を和ますって言うか…盛り上げるべきだよな…
でもいきなり話しかけたら今日知り合ったばっかなのに何?
みたいに思われるかもしれないし…
こんなときこそ司の力があればなぁ…
あ、でも緋芽の心は読めないんだっけ…)
陽翔が無言で考えていると、先に話を出したのは緋芽だった。
「陽翔はさ…岡里くんとの付き合い長いの?」
「う、うん…まぁね。
あいつとは幼稚園から今までずっと一緒で、今ではあいつなしはありえないっていうか…」
「へぇ…
友達というより、家族みたいだね」
「確かに。俺は家を追い出されたりしたら真っ先に司の家に行くかな。
あいつだけは本当に信用できるやつだから…」
陽翔が微笑みながらそう言ったのを見た緋芽は、羨ましそうに言う。
「いいなぁ…
あたしも、そんな心から信頼できる友達がほしい」
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