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緋芽の言葉を聞いたとき、
陽翔の頭には“?”が浮かんだ。
「え…?緋芽にとって裕理は親友じゃないのか?」
緋芽は少し黙った。
そして、ゆっくり口を開いた。
「裕理は親友。あたしも好き。
でもね、上辺の友情にしか思えないの。
相手の本心を知ったとき、裏切られるのが怖いから…深く入り込めないの…
私、なんか歪んでて…人間不信なのよ…」
陽翔は、緋芽の険しいの表情の中に、どこか悲しい気持ちが隠れていると思った。
そして、こうも思っていた。
(緋芽…司と似てること言ってる…
もしかして緋芽も司と同じ…
……そんな訳はないか)
陽翔が考えていると、緋芽が言う。
「何であたし…陽翔にこんなこと話してるんだろ。
まだ会ったばっかなのにね…
ごめん…あたしなんかと関わりたくないよね…信用してもらえないなんてさ」
緋芽は俯いた。
そんな緋芽を見て、陽翔は笑顔で言う。
「いーや!むしろこれからも関わりたいって思ったよ。
俺は緋芽に信用してもらえるようになりたい!
信じられる人がいないなんて悲しいだろ?
俺が緋芽にとってそんな存在になりたいから!」
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