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「あの…まだ確定したわけじゃないんだけどさ、もしかしたら緋芽も司と同じ力が使えるかもしれない…」
「…陽翔は何でそう思ったんだ?」
「…大した理由じゃないし、俺が気になっただけなんだけど…
司が前に言ってたことと似たようなこと…緋芽も言ってたんだよね…」
「…何て?」
「“相手の本心がわかると上辺の付き合いしかできない”とか“人間不信”とか…」
陽翔の話を聞いた司はボールを地面に置いて考えた。
「…“相手の本心がわかると上辺の付き合いしかできない”って言ってたとしたら怪しいよな…本心って所に引っかかる。
人間不信なのは…性格かもしれないけど」
司は再び地面に置いていたボールを蹴り始めた。
その様子を見た陽翔は、司が蹴っていたボールを手で取った。
「あ、陽翔ハンド…」
「司は気にならないのか?
俺はずっと気になってた!
司が緋芽の心を読めないって言ったときから…ずっと!」
「陽翔、何ムキになってんだよ…」
司は陽翔からボールを取り返して言った。
「天沢が力を使えるかどうかなんてそのうちわかるさ。
力を使うときは相手の目を数秒間見なきゃ読めない。
それを意識してたらわかるって」
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