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この前会った女子高の人は渡辺歩美って言って中学の同級生だった。
見た通りちょっとぬけてるところがあって、天然って言われるタイプの子なんだ。
そこがまたかわいかったんだけどね。
彼女とは生まれた月が同じで、しかも親同士が知り合いでそれなりに運命的なものがあるって誤解する素地はあったわけです。
ただ、彼女を意識しはじめたのは彼女が僕を好きだとしってからで、それまでは他の、全くタイプが違う人が好きだった。
渡辺さんはおとなしいタイプで渡辺さんを好きになる前に好きだった人は元気がいい人だった。
どっちにしろかわいい人なんだけどさ。
まあ、2人とも性格が良い人達で、一緒に居てとにかく気が楽だった。
そこが多分僕にとっては大切なんだと思う。
一緒に居て苦しい恋なんて、するもんじゃないからね。
といっても、ホントに好きならそういうのに立ち向かえるんだろうね。
それは恋人いない歴イコール年齢の奴の戯れ言なのかもしれないけどね。
話を戻すと、渡辺さんとは修学旅行の班が一緒だった。
班長の渡辺さんが班のメンバーを選んだんだから、少なくとも渡辺さんに嫌われてないというのは誤解ではなかったわけになる、と思う。
席替えはたしか10月くらいだったと思う。
夕陽がもう少し柔らかかったから11月かもしれない。
雪が降り始める頃にはもう一緒に雪を見てたから、12月には席替えはしてた。
一緒にって言っても班のメンバーと一緒にって意味なんだけどね。
何となく渡辺さんと中3迄には付き合って、上手く行けば結婚して、特別豊かではないけど、平凡な生活を送るんだろうな、と思ってた。
渡辺さんの性格を考えれば、優しい母親になるだろうから、少しは厳しく子供を育てなきゃいけないけど、自分だって甘い父親になりそうだし……。
とか考えてたら渡辺さんに変な目で見られたんだけどね。
小学校迄はいじめっこのグループに入ってたんだけど、渡辺さんを好きになってからそのグループに入ってた事を後悔するようになった。
そういうタイプの連中とは距離を置くようになり、接してみてホントに嫌いになるまでは嫌いにならないように努力した。
何となく今のままじゃ彼女に釣り合わないと思ってたんだろうね。
ま、そんなことやってたから部活に溶け込めなかったんだけどね。
それだけじゃないか。
因果応報ってやつもあるよな。
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