夏至りしひと時

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「ねえ魔理沙。そのチラシは外の世界のよね?」 「ん? おそらくそうだぜ。ところどころ意味のわからない単語が出てくるからな。それがどうかしたのか?」 「――いや、たいしたことじゃないんだけれど、なんで外の人はわざわざスイカを棒で割ろうと思ったのかしらと思ってね」 確かに考えてみると不思議な話である。外から流れ着いたものを見ると、どれもその機能に視点が置かれ限りなく無駄を減らした形をしている。幻想郷では想像もできないほど無機的であり、面白みが無い。そこから推測できる外の人間はスイカを割り、わざわざ食べにくくするのだろうか。ありえるとすればそこに理由があるはずである。 「外のやつらも暑さでストレスが溜まってるんだろう。きっとただの憂さ晴らしだぜ」 ――憂さ晴らし……か。それもあり得なくは無い。しかし、それは違うだろう。 「なあなあ魔理沙。それだったらなんで『スイカ』なんだ? 『スイカ』じゃなきゃだめなのか? なんか別のもの叩けばいいのに」 まだ、からかわれたことを気にしているのか萃香の口調は少しぎこちない。 「それもそうだな。ふむ……。よくわからん、何でだ香霖?」 少しは自分で考えるということをして欲しいが、僕にもまだ答えられない。 「うーん、考える時間をくれないか? 即答はできないよ」 何故スイカを割るのだろうか、おそらくスイカである理由がちゃんとあるはずである。
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