夏至りしひと時

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「スイカ、スイカねぇ……。丸いことくらいしか思いつかないわ」 ――丸い?そうかそれだ! 霊夢の一言で謎が解けた。 「おっ、わかったのか?香霖。」 「ああ、あくまで仮説だが、おそらくこうだ。今、霊夢がスイカは丸いと言ったね? それが答えなんだ。」 「……?」 「ヒントをあげよう、魔理沙。空に浮かぶ大きな丸といえばなんだい?」 「太陽だろ」 「では、それを割ったらどうなる」 「涼しくなるだろうな。――ああそういうことか!」 「そう、つまりスイカ割りとは夏の空に浮かぶ太陽をスイカに見立てて割ることで涼しさを呼ぶ寒冷の儀式なんだ。そしてスイカでなければならない理由は、果肉の色だ。赤は太陽を象徴する色、術式に利用する上でこれほど適したものは無いだろう」 外の世界でこのような思想があることに驚きだが、こう考えると説明がつくのだ。 「なるほどな。さて、疑問も解決したし、さっさと始めようぜ」 「とてもこの人数では食べきれないわよ。他にも呼びましょう。萃香、あなたの能力で人を集めてちょうだい」 「まっかせとけ!」  まったく現金な少女たちだ、疑問が解決したらすぐこれだ。この暑い中さらに人を呼ぼうとするところも流石としか言いようが無い。
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