蛍と神風

17/29
前へ
/29ページ
次へ
「わかりました、お話させてもらいましょう、でもその前に飲み物を用意したほうが良さそうだね」 初老のマスターはそう言いながら笑顔で席を立ち、カウンターに入っていった。 ?僕のグラスにはまだ半分ほどカミカゼが残っている・・とゆうことは・・ 妻のグラスは完全に空いており、氷がほとんど溶けていない・・ あっという間だったのか・・・ 「カミカゼでいいのかな?」 初老のマスターは妻に尋ねた。 「ええ、気に入りました、カミカゼ」 妻は嬉しそうに答えた。 「旦那さんも一緒に作ろうか?」 初老のマスターは僕のグラスを眺めながら酒を勧めてくる。 「え、ええ、お願いします・・」 僕は残っているカミカゼを一息に飲み干し、グラスを空けた。 いつもながら妻のペースについていくのは大変だ・・ 妻はそんな僕の心中など察する様子は全く見受けられず、背面の酒棚を物色している・・ 「お酒、珍しいものが多いですね、自分のご趣味なのかしら?」 妻は酒を作り始めているマスターに話し掛けた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加