蛍と神風

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川辺の遊歩道。 僕の手を引き、先に歩いていた妻が急に足を止めた。 「嘘みたい・・・」 妻は両手で口を塞ぎ、何かに驚いている様子だ。 「どうしたの?」 僕は不思議に思い、妻に問いかけた。 「見て、あれ・・」 僕は妻の指差す方向に眼を向けた。 森林が生い茂る川のほとり、そこには数匹の、いや、数十匹の蛍たちが黄金色に体を発光させ、舞っていた。 自由奔放に飛び回り、淡い光を放ち、戯れているその光景は、とても幻想的で、見ているものの心を奪う。 僕等は川辺の柵にもたれ掛かり、暫くの間蛍に見入っていた。
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