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「りょー」 あ、呼ばれてる。 夢の世界と現実の世界の狭間をゆらゆらしていた僕の耳に、その声は届いた。 机にベタッと貼り付いていた体を起こし、声がする方へ目をやる。 誰かがこちらに手を振っているようだ。 何故だろう。 相手の顔が、というか相手全体の輪郭がぼんやりしている。 教室の奥の机と教室の出入り口。 普段ならばっちり視認出来る距離なのに。 .
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