第01章†白兎と猫†

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  頬を赤く染めている私を見て、またチェシャ猫が笑い出す。 「アリス真っ赤。」 『だって、だって!チェシャ猫が…』 「あぁーごめん。でも、本当に“真紅のアリス”…」 さらりと私の髪を撫でながら、チェシャ猫はどこか遠くを見ているかのような眼をして呟いた。 『え?』 「いや、別に。それよりもこれで現実だってわかった?後さ、俺のことはレインでいい。」 『あ、うん。』 あの言葉はまだ気になるけど、本当にびっくりした。 チェシャ…レインとかいきなりだから。 「まだ赤い。」 『ふぇ!?え!?』 「まぁいいや。っで、アリスが探している道は?」 突然話を変えるレインに戸惑う私。 でもやっと本題に入る事が出来る。 『階段を探しているんだけど。知ってる?』 「階段ねぇ。さっきユキルが通っていったとこか。ユキル追いかけてんの?」 『兎さんを追いかけてるって言うより、ただこの世界から出たくて。』 「それで階段?」 『そう。』 「ふぅ。本当に馬鹿。ここは、そんな簡単には出られない。」 『え?じゃあ、どうすれば良いの?』 「さぁ?俺知らない。精々頑張って、アリス。」 レインはそう言うと、みるみる足元から透けて消えていく。 『待って!レイン!階段の見つけ方は?』 「教室を開けな。」 その一言を言うと同時に、レインの体は完全に消えた。 next…
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