第一章 知覧にて

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1944年12月 鹿児島県にある知覧陸軍航空隊基地。 ここは特別攻撃隊の基地でもある。 しかし、飛行第81戦隊は特攻隊ではなかった。 配備されている戦闘機は、四式戦闘機「疾風」である。 疾風は、時速680㎞/h、武装は20㎜機関砲2門、12.7㎜機関砲2門を搭載している。 その疾風を眺める男がいた。 彼は飛行第81戦隊第2中隊第2小隊小隊長の須崎少尉だ。 彼はフィリピンで戦っていたが、異動で飛行第81戦隊に配属になった。配属されて、もう1ヶ月になる。 フィリピンでは三式戦闘機「飛燕」に搭乗していたが、第81戦隊に異動したあとは疾風に乗っている。 ちなみに第81戦隊は陸軍が本土防衛の為、各地からエースパイロットを集めて編成された部隊だ。 須崎もそのエースパイロットの1人だった。
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