ある男

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目に焼き付く色、 或いは蒼、或いは翠。 冬の快晴、夏の森林。 人それぞれだと私は思うが、基本的に綺麗な物が焼き付く。 勿論、私も例外ではない。 ただ、私は綺麗と言う概念が違っていた。 私は血の紅い色が好きだ。 あの絶対的な死、絶望を連想させる負の色。 あの色を見る度、私は絶頂に達する程の快感を得る気がする。内臓がえぐられるような、そんな感覚。 だから私は殺人を止められない。 止めたくもない。 だってそうだろう? 快感を求めて何が悪いんだ?
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