第一章

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午後の授業も終わり、放課後。 建人は英数準備室に行った。 「失礼しま~す。 倉本先生、いらっしゃいますか?」 倉本麻衣子はパソコンに向かっている。 部屋の中には、麻衣子以外にも他の先生が二人いた。 麻衣子が、返事をした。 「は~い。 あ、わざわざ来てくれたんだ! ちょっと廊下で待っててくれない? すぐ行くから。」 「わかりました。」 建人が出てから一分もしないうちに、麻衣子が出てきた。 「さすがに、英数準備室の中で堂々とケータイは出せないでしょ(笑) そういえば、まだ名前聞いてなかったよね? 何ていうの?」 「辻堂建人です。」 「建人君か~ 良い名前だね!」 「ありがとうございます。」 「建人君さ、帰りのバスは聖蹟方面だよね? ほら、おととい会ったのも聖蹟のコンビニだったし。 だったら、駅まで今日一緒に帰らない?」 聖蹟とは学校から近い駅の一つであり、ほとんどの生徒はこの聖蹟か、もう一つの近い駅の永山からバスで来ている。 「はい! いいですよ。」 「じゃあ、その時にメアド交換しようか。 もう帰れる?」 「はい! いつでもOKです!」 「じゃあ、私も支度して来るね。」 そう言って、麻衣子は英数準備室に戻っていった。
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