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「お前、いい後輩持ったな。」
日向が出ていったドアを見つめながら林に言う。
「当たり前だ。俺様を誰だと思ってる」
「ハヤシライス」
「舌引っこ抜くぞ。」
冗談だ、と翡翠は言うが全然冗談には聞こえなかった。
「林、座れ」
顎で日向が座っていた椅子に促す。
「? 何だよ」
「手当て」
言いながら、包帯やら湿布などの治療道具を出していく。
「んなもの自分で出来る」
林が呆れたように言った。
「ついでだ。それにぶつけた俺にも責任あるし;」
苦笑いをし頬をポリポリと掻く翡翠。
林はコイツにも感情があったんだな、と感心しつつこれ以上断る理由もないので翡翠に任せることにした。
「…よし、出来た」
手当ての出来は結構な物で、しっかりと湿布は貼られ包帯も巻かれていた。
意外にもちゃんとなっていたので、林はキョドる。
「さ、サンキュ」
「どういたしましてー(棒読み)」
どう反応していいのか分からず、林はレギュラーがいるコートに戻った。
(アイツにも優しさがあるんだな…)
と思いながら部室を出ていく林。
************
「「あ、部長!おデコ大じょ.ギャハハハハハハハハハッ!!?」」
双子たちが林の額を見て笑い出す。
その笑い声に反応した直と西原が双子に駆け寄る。
「どうしたのぉ?」
直が双子たちに聞く。
「「ぶっ部長の…、デコにッ!!!(爆」」
震えながら林の額に指を指し、必死に訴える双子から林の額に視線を移す直と西原。
「「アハハハハハハハッ!!?」」
双子につられて直と西原も爆笑中。
訳が分からない、と林は首を傾げる。
「ほら」
状況がイマイチ掴めていない林に間宮は呆れながら、鏡を渡す。
恐る恐る鏡を見ると
そこには…
『ハヤシライスでございます』
と巻かれた包帯に書かれていた。
ご丁寧に油性マジックで(酷
「…ッ琴月ィィイイイィイイィ!!!!!(怒」
「(…帰ろーっと。)」
マネージャー初日 終了~
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