お届け物でーす。

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***** どうも、こんにちは。 琴月 翡翠です。 俺がマネージャーになって一週間が経ちました。 え?今何やってるかって? 只今、西原と間宮が練習試合をしているので、 そのスコアを取っている最中だ。 ――…もっちゃ、くちゃ、もぐ、もぐもぐ、くっちゃ 「はーい、あと1ゲームでくっちゃ、…もぐもぐ、間宮がもっちゃ、くちゃ、くちゃ、もぐ、勝つぞー」 くちゃ、くちゃ、モグモグ、… 「だぁー―!!さっきからクチャクチャうるせーよ!!集中出来ねぇだろーが!!!」 西原が叫ぶ。 「はぁ、全くだ。何食ってんだ、琴月」 間宮が西原に続き、翡翠に問う。 「スルメ」 当然のように言う翡翠。 「今、食う必要ねぇじゃん!!」 「口が寂しくて、死にそうなんだよ。」 「お前はウサギか」 無事にスコアも取り終わり、そのスコアを部室に持っていく。 途中で林と遭う。 「あ、おい琴月。これ届けに行ってこい」 「言葉使いには気をつけようか、林くん」 ニコニコ笑いながら右手には拳が作られていた。 それを見た林は少し後ずさるが、そこは部長としてのプライドもあるので、『これ』と言われたものを差し出す。 差し出されたのは、少し大きめの茶封筒が1つ。「あ?何これ?」 眉間に皺を寄せて聞いた。 「来週そこの高校と交流試合するんだよ。 それについての資料」 ふぅん、と興味なさげに相手の学校の名前を確認する。 『荒楓学院 高等部』<コウフウガクイン コウトウブ> と書かれていた。
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