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全員の自己紹介が終わるとレギュラーが横一列に並ぶ。
列の真ん中に櫻井が移動して綺麗に微笑む。
「ようこそ。荒楓学院へ」
「いや、俺もう帰るから」
今更言われても、と苦い顔をする翡翠。
帰らせまいと櫻井、谷、和田、森内が翡翠の体にそれぞれ抱き付いている。
翡翠は懸命に前へ進む、だが全く足が動かない。
やはり運動部というところか、いくら何でも束になった男共を倒すのは翡翠でも困難だ。
ふと柊に目線を移す。
柊はラケットでボールを器用に弄んでいた。
バッ!、とそのボールを奪い取った翡翠。
林にボトルを投げ付けた時のように川が流れている方へ投げる。
『あぁぁぁー―――!!!?』
全員の声が揃った。
「何するんスか!?翡翠先輩!!」
谷が叫ぶ。
「いいか?俺は早く帰りたいんだ。帰ってあのバカを殺さなきゃならないんだ」
真顔で言う翡翠。
「でも、あのボールどうすんだよ!?」
今度は和田が叫ぶ。
「知らん。這いつくばって探せや」
そそくさと帰る翡翠。
その後ろからは怒りの声やらため息やらが聴こえてきたが翡翠には聴こえていない。
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