恋の0地点

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恋の0地点

この世に生まれ落ちて21年と少し。彼女いない歴は年齢と同じ。 だが、小中高そして大学まで全く恋愛がなかったわけではない。 むしろ、恋はそんじょそこらの男どもと比べると、雲泥の差なはずだ。 片恋も恋愛のうち。 今、思い返せば俺の気持ちは常に一方通行であった。 小学生のときは中学生になれば彼女が出来る、と信じていた。 中学生のときは高校生になれば彼女ができる、と確信していた。 高校生のときは大学生にもなれば流石に彼女ができる、と祈っていた。 俺は自分を罵る。 「馬鹿!何故、信じるばかりで、現実的な手段をうたなかったのか!」 手段を講じていれば違った世界が見れたかもしれない。 例えば、隣に彼女が寄り添っていたり。 後にも先にも後悔ばかりだ。 そんなこんなで大学生となり、自堕落で女っ気のない日々を淡々とこなし21の誕生日を迎えることになる。 しかし、21になったとき、言いようのない不安がブリザードのように胸中で吹き荒れた。俺はプルプルと震えるしかなかった。 今まで、目を背けてきたが、脱・童貞のチャンスは確実に刻一刻と擦り減っているのではないか? このまま、童貞を磨いていけば、魔法使いになるしかないのではないか? というような不安である。
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