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「死ねよ」
無表情に呟いて
怯えきった瞳で
赦しをこう
女の首は無情にも撥ねた
刀を一振り
首に滑らしただけで
鮮血を撒き散らし
こいつの頭は
胴体と永遠の別れを告げる
なんて脆い命なんだろうか
「鮫島」
いつから居たのだろう
そう思わずにはいられない程
気配の一片も感じられないそいつは
返り血で
所々が赤く染まる
俺の全身を
眉間に濃い皺を寄せ
汚らしいモノでも映すかのように
下から上まで順に眺めて
よく通る声色で
俺の名を呼ぶ
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