開幕

2/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 覚えているだろうか。  僕が産まれるずっと前には、あなた達は恋仲であったということ。  婚約届けに押した印の重りは なんの迷いもなく離婚届けの薄っぺらな紙に咲いた。  恋と言うものは実に 簡単明白な人生の経験の一部分でしかなく 僕の生まれた事実すらそれは、経験のひとつとして消えていく。  僕は誓う  恋などしない  恋は人を惑わせる 。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!