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「最初に言っておこう。これから君たちには、殺し合いをしてもらいます」
この言葉を聞いて
康隆は思い出した
数年前に
大ヒットしたスプラッター映画だ
まさか…
「近頃、少年犯罪やニートなどがどんどん増えています」
鶴田先生は
そう言いながら黒板に何か書いている
「あの、かの有名な大東亜共和国の『BR法』を真似た対策が出来ました」
康隆は
耳が壊れたかと思った
大東亜共和国だって?
そんな国が
本当にあったのか
「その名も『悪餓鬼撲滅法』」
鶴田先生は
前に向き直った
その時に
藤林先生と目が合った
「あらら、これは新しい担任の先生」
鶴田先生は
藤林先生に歩み寄った
「僕のこと知ってましたか?」
「…知らなかったです」
藤林先生は
正直な返事をした
「そう…まぁ、良いけど」
そう言って
鶴田先生は教卓に戻って行った
「皆さん、これはジョークでも何でも無いですからね♪」
鶴田先生のこの言葉をきっかけに
教室内は騒然となった
BR法なら
多分、このクラスの大半は知っているだろう
この法案を題材にした
映画まで出来たくらいだ
知らないはずが無い
泣いてる女子も居た
「はいはい、君らはもう高校生だろー?静かにしろー」
鶴田先生は
最初みたいにまた
手をパンパン叩いた
今度はすぐに静まった
さっきの威嚇の効果のおかげだろう
「これから『悪餓鬼撲滅法』のルールを説明するからなー」
鶴田先生が
指をパチンと鳴らせば
後ろのドアから
デイパックを乗せたカートが
次々に運ばれてくる
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