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「このプログラムに、基本反則はありません。おおいに殺し合って下さい。」
鶴田先生の顔には
微かな笑みがあった
「騙しても良し、裏切っても良し。…とにかく何でもありだな」
「嫌だ!!!!!」
いきなり
金切り声が教室に響いた
みんなが
その声のする方へ振り向く
「殺し合いなんて…殺し合いなんて…っ!」
横山恵梨香
よこやまえりか
が、机を叩いて立ち上がった
「横山、落ち着けよ!」
隣りの智が
恵梨香を止めているが
全く聞いちゃいなかった
「おい、冴島の言う通り、少し落ち着けって」
鶴田先生は
呆れたように言った
「何のためにやるんですか?あたしたち、まだ高校に入って間もないのに…!!」
どうしてですか!?
恵梨香はどんどんヒートアップしていった
「そんなの、簡単だよ。入って間もないなら、お互いのことも良く知らないし、殺しやすいだろ?」
藤林先生は
寒気を感じた
ただでさえヘタレなのに
そんなことをズケズケと言われたら
耐えられなくなる
だんだん藤林先生まで
恵梨香のように喚きたくなった
だが
この理由も分からずに嫌われている
鶴田先生の手前
藤林先生は我慢した
「そんなの…酷すぎる…」
恵梨香は
鶴田先生の返事を受けて
崩れ落ちるように椅子に座った
「あとは質問ねぇか?」
「…このことは、親に知らせてあるんですか?」
黒縁のメガネを押し上げて
挙手したのは
上田真木
うえだまこ
藤林先生よりも
ヘタレで有名である
そして
クラス1のガリ勉
学年トップを争うほどの頭脳の持ち主
「もちろんですよ。」
自信たっぷりに
鶴田先生は真木に伝えた
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