嵐の前の静けさ

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  「それにしても、」 いきなり智が言った 「兄妹が再会するなんて、奇跡ですね?」 義子は今気付いたように 「確かに…」 と、藤林先生を見た 藤林先生も義子と同じ反応をした 別に義子を記憶から抹消してたワケでは無いが 再会するとは思っても見なかった 「何とも言えない気持ちだね」 藤林先生が考えて出て来た言葉がこれ 確かにその通りだ 「これから何か変なことでも起こるのかな?」 義子がヘラヘラとした口調で言うと 「変なことって何だよ!」 と、本気にしている藤林先生 そんな2人を見ている智は どっちが年上か解らなくなった ネガティブで子供っぽいのに 元ヤンキーと言う経歴を持つ理科の教師が 高校1年生の妹に言い込められている とりあえず 藤林先生どんまい と、言ったところだ 藤林先生は 義子の変なことが起きる発言から ちょっとだけ神経質になっている 本当に何が起きそうで 怖くなった だが 何が怖いのかを聞かれると 答えられない 「本当に変なこと起きたらどうすんだよ!」 「はぁっ?お前、本気にしてんの?」 ダサッ と、言い捨てられる始末の藤林先生 だがここで言い返すことが出来なくなるのが 藤林先生のヘタレさである 藤林先生だけが モヤモヤとしている中 バスはトンネルに入った 
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