セーラー服とマセガキ(暁じい編②)

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「暁じいの恋人ぉ⁉」 体調不良の美桜と、茫然自失の海里と美るてを気遣って、 取材を早々と切り上げたHSKメンバー。 八尋と光明は何故かこの少女を見ても平気らしい。 物怖じせずに、 美桜の背中につかまる少女を質問攻めに。 そこで、 少女は口を開いたのだった。 「…はい。あっ…私、 蓮実と申します。 」 海里と美るてもようやく落ち着いた様子。 「で…あんたなんで俺の後ろにいんの?」 話し掛ける美桜。 「あっ……💦すみません。…貴方からあの人の匂いがしたから…」 「あの人って、暁じいの?」 「…えぇ。」 彼女は、どうやら若き日の暁じいの恋人だったようだ。 身分違いの恋に落ちたこと。 婚約者のいた暁じいのため、身を引いたこと。 戦争によって完全にその絆が引き裂かれたこと。 今生、再びまみえる事無く、 自分は病に倒れてしまったこと。 蓮実が話し終えた後、女子メンバーの目頭は涙で大惨事状態だった。 「……んだょぉ…ひっぐ💦蓮実ぃあんだぁ…ぐっ…ぐろうじだんだねぇ…うぅ💧美るて…はんがぢじょうだぁい💧」 「…っつハンカチぐらい…ひっぐ💦自分でもっどぎなざいよぁっうぅ💦」 「八尋ぉ…はい、はんがぢ…ひっぐ💦わだじ、二枚もっでるがら…ひっぐ💦」 これじゃ女共じゃ話にならへんと思ったのか、話を切り出す意外と冷静な光明。 「で、あんた結局一体何が目的なんだ? 」 「…あの人を、どうかあの人を助けてあげて…‼」 「…⁉あんた、あのじじぃが今どこにいんのか知ってんのか?」 ピクッと、美桜が反応した。 「知ってるのか⁉暁じい今どこに居るんだっ⁉⁉」 蓮実は、美桜に少し驚きながら、静かに語り始める。 「…わかりません…あの人が亡くなったあの日、私はあの人の魂を迎えに来たのです。ですが、その時には既にあの人の魂は… 身体ごと消えたと言うことはもしかしたらあの人… 」 「生き返った?」 「……稀にあるのです。自らの死を頑なに拒否する魂が、無理やり役目を終えた身体に入り込む…。 でも、生き返ったのではありません。 生き返ったと勘違いしているだけ…。 このままでは、 身体と共に魂も朽ち滅んでしまう… そうなれば、魂は永遠に…生まれ変わり再び2人が出会う事も出来ない…。」 「…蓮実さん…」 美るては蓮実の目頭にハンカチをあててやるが、 透けてしまう。
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