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暁じい編①
ところ変わって、ここは現代の絵妃女県花ヶ濱市。
梅雨もあけ、すっかり夏真っ盛り。やれ高校野球だのやれ夏休みだのと、行事も真っ盛り。花ヶ濱高校も例外ではない。
絵妃女県立花ヶ濱高校。
いわれも深き海辺の街花ヶ濱市にある高校。
旧制中学時代から残る木造二階建ての図書室、真っ青なドームが目にも鮮やかな天体観測室のある新校舎、
冷暖房完備の「水族館」と称される科学室は、
自然科学部が伊勢海老、クマノミをはじめとした海や川から連れてきたありとあらゆる生物達がズラッと並んだ水槽を泳ぎ回り
土日は水族館として 公開されている。科学室で行われる授業はまた格別であり、それを目当てに入学を志願する者も少なくない。
何より、校舎から歩いて20秒程の所には砂浜と海が広がり、夏は生徒御用達の海水浴場と化す。そして、波浪警報でも出ようものなら、生徒は全員自宅待機と言う、極めて特殊かつ所謂まぁ、変な学校。それが絵妃女県立花ヶ濱高校である。
そんな花ヶ濱高校(花高)には、
ある伝統的な部活動がある。
部活動の花形野球部やサッカー部。全国大会常勝の郷土芸能部やら長刀部、先程あげた一番人気の自然科学部………。ではない。
その名も、「HSK部」H放送部とS新聞部がKコラボして出来た部
放送部と新聞部がコラボして出来た部。 略してHSK部といつの頃からか称される用になった。
実質、八割が放送部の活動。二割が新聞部としての活動。
週に一度の校内広報 の発行、昼休み中の校内放送、朝礼の際のマイク音量調整等、大切だが意外と地味な仕事が多い。
だが、そんな地味な仕事ばかりしているHSK部だが、前にあげた通り、有名なのである。花ヶ濱市はおろか、絵妃女県内でその名を知らぬものはいない。
ちょっとヤンチャな兄ちゃん達も、HSK部の面々を街で見かけようものなら、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
……放送部と新聞部だよねぇ?
いいえ。普通の放送部やら新聞部やらじゃないんです。
正義・話術・知力・文才・体力。あらゆる力が融合した、放送部と新聞部がコラボして出来た部。略して、「HSK部」
なのです………。
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