青年

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魅月は一種の記憶喪失みたいな感覚にとらわれていた。 貧血で倒れた時に意識は戻っても、倒れる寸前の記憶は思い出しにくい。 魅月『あー…。 考えても仕方ないか…。』 そう言って魅月は体を起こし、辺りを見渡した。 魅月『…っ…まだ頭がくらくらするな…。 …真面目にここは何処なんだ?』 魅月は頭を抑えながら考える。 (都市部…じゃないよな…? 茨城か栃木の山奥か…?) そんな事を考えていた魅月の耳に、何かの音が届いた。 (何だ…?) 最初は空耳程度の音だったが、次第に音が大きくなるのを感じ取った。 森の中から、草をかき分けるような音が確かに聞こえる。 魅月『何だ何だ!? サルか?ゴリラか?はたまたゾウか!?』 何気に動物ファンな魅月は興奮していた。 が。 やがてその音の主が、森から完全に姿を表す。 魅月『ああぁ!?』
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