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…天気予報め…嘘付いたアルな…。
そう思いながら、鞄の中から折りたたみ傘を出し広げる。
本当は、沖田と2人で入りたい。
けれど、生憎沖田も傘を持っているから、それぞれがそれぞれの傘に入ればいいことだ。
だから、折りたたみ傘なんて持ってこなければよかった。
と、後悔した。
はぁ…。
とため息を付くと、隣にいた沖田が、
「しょうがないから、入ってやらァ。」
と笑いながら、わたしの傘に入ってきた。
…わたしの心臓は爆発寸前なぐらい鳴っていて、沖田にちょっと触れている右手が震えてしまう。
手を伸ばせば、届いてしまう。
それぐらい近い距離の中で、
この触れてる右手から、沖田への想いが届けばいいのに。
そう思った。
まぁ、無理だけど…。
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