向かった先

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向かった先は とりあえず天王寺動物園だった そこでライオンの 服を着た僕と またライオンの服を着た姉と車の絵の書いた カッターを着ている兄と三人でとても 田舎臭く貧乏臭い しょーもない顔をした 僕たち三人の写真を 収めた その後どういう 過程を通って 僕たち三人が 施設に入ったのかは 記憶にない ただ僕はまだ 小学生にもなっていなかったように思う。 それぐらい 記憶が曖昧だったころ 僕たち三人は 両親の手から離れ 施設に入所した 父の言っていた お出かけとは 施設に行くことだった 寂しいとか 悲しいとか 不安を感じる前に 僕の力では 抗うことが できないことを 幼いなりに 僕は知っていた
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