1話)幽霊とうるさい人形

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気付けば店内に蛍の光が鳴り響く時間になってしまった…糞!不覚にも意外に楽しいと思ってしまったではないかオタクの聖地。 出口で俺は石田達と合流し、店を出た。 「見てみてこんなにフィギュアと写真買っちゃった☆」 「俺も俺も~このカンダムのプラモ格好良くてさぁ~三つも買っちゃったよ~ 佐々津は何買ったの~」 あぁ…石田が篠田色に染まっていく…前はこんな奴じゃなかったのに…。 買っとらんと言おうとした時、篠田があぁ~!!と俺の制服の胸ポケットに指を指す。 「佐々津君!!このフィギュア高かったでしょ! 凄いね佐々津君!【ロリッ子☆えんぢぇる☆】に手を付けるなんて♪しかも買った瞬間に胸ポケットにしまうなんて、僕より才能あるかもよ♪」 いや待て待て篠田何を言っている!!俺は買ってないぞ… 俺は胸ポケットを見た…思わず二度見してしまった 「な、ななな何じゃこりゃー!!」 こいつは!俺がデコピンしたあの可愛いらしいフィギュア…違う違う!! 幽霊が取り憑いていた人形!!何故こいつが俺の胸ポケットで愛くるしい顔を覗かせている! もぅ…意味が分からない!! いや待てよ…買っていない物が此処に…これって万引きなのか? 俺は意味の分からなさと万引きとの恐怖が入り交じる中、フィギュアをズボンのポケットに押し込んだ。 『いた~い!!』 何か今ポキッって良い音がした気がする。
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