30人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
気付けば店内に蛍の光が鳴り響く時間になってしまった…糞!不覚にも意外に楽しいと思ってしまったではないかオタクの聖地。
出口で俺は石田達と合流し、店を出た。
「見てみてこんなにフィギュアと写真買っちゃった☆」
「俺も俺も~このカンダムのプラモ格好良くてさぁ~三つも買っちゃったよ~
佐々津は何買ったの~」
あぁ…石田が篠田色に染まっていく…前はこんな奴じゃなかったのに…。
買っとらんと言おうとした時、篠田があぁ~!!と俺の制服の胸ポケットに指を指す。
「佐々津君!!このフィギュア高かったでしょ!
凄いね佐々津君!【ロリッ子☆えんぢぇる☆】に手を付けるなんて♪しかも買った瞬間に胸ポケットにしまうなんて、僕より才能あるかもよ♪」
いや待て待て篠田何を言っている!!俺は買ってないぞ…
俺は胸ポケットを見た…思わず二度見してしまった
「な、ななな何じゃこりゃー!!」
こいつは!俺がデコピンしたあの可愛いらしいフィギュア…違う違う!!
幽霊が取り憑いていた人形!!何故こいつが俺の胸ポケットで愛くるしい顔を覗かせている!
もぅ…意味が分からない!!
いや待てよ…買っていない物が此処に…これって万引きなのか?
俺は意味の分からなさと万引きとの恐怖が入り交じる中、フィギュアをズボンのポケットに押し込んだ。
『いた~い!!』
何か今ポキッって良い音がした気がする。
最初のコメントを投稿しよう!