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とりあえず俺は、母にこんな人形を見つかってしまっては一生の恥だと思い急いで門を出る。
そしてこいつらと話しをつけるべく、人気が少ない小道に入った。
「お前ら!!何で俺の背後と胸ポケットにいる!!」
今日はマジだ、本気と書いてマジで怒ってやる!!
と思った瞬間、風見さんが目をうるうるしながら、言ってきた。
『ごめんなさい…久しぶりなんだもん…学校…行きたかったの…』
『あぁ~あ、幽霊泣かすと末代まで呪われるんだぁ~』
くそ~何なんだ…この罪悪感は!!何かすげぇ~俺が悪いみたいじゃんか!!
ってかこの人形に言われると無償に腹が立つ。
「ごめんね、風見さん…分かったよ!風見さんは着いて来ても良いよ♪
でもお前は駄目だ!」
何でよ~っとクルミ様ががぁがぁ騒いでいる。
当たり前だろ、こんな可愛いらしいフィギアを学校の奴らに見つかってしまったら俺は…
次の日から学校に行かなくなり万年引きこもり化してしまう。
あの篠田さえ、学校は恋をする所とか言ってそういう類いは持ってこないのに。
『じゃ鞄の奥底で静かに寝てるから良いでしょ~!』
「駄目だ!絶対!!」
マジなんだ、今日の俺は本気と書いてマジなんだ…
でもそのマジも風見さんによって穿かなく崩れ去る。
『お願い、佐々津くん、クルミちゃんを連れていってあげて!!』
俺には…味方が居ないのか…
泣く泣く承諾し、クルミ様をタオルでぐるぐる巻きにし鞄の奥底にしまい込み学校に向かった。
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