1話)幽霊とうるさい人形

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「知らん!一人で行け!」 そんな事を言うと篠田は涙目で見つめてくるし、石田は良いじゃん~行こうよ~って言うし、何か…断れなくなってしまう。 そしていつもの俺の口癖 「ったく!今日だけだからな!!」 と言って石田達に着いていく。 実際俺は甘いのか?もっと厳しくしなくてはいけないのか?と自分と葛藤しながら校門をでてアニメなんとかという所へ向かった。 「それにしても今日は幽霊が多いな…見ろ!石田!電信柱の所に居る奴お前の事恨めしそうに見てるぞ!!」 「辞めてよ!マジで幽霊とか無理なんだから~」 石田と篠田は青ざめている、俺の楽しみはこいつらのこの顔を見て心の中で爆笑することだ。マジで笑える。 ちなみにこの二人は俺が幽霊を見える事を信じてくれる数少ない人間だ。親も周りの奴も信じてはくれない、信じる所か痛い子として見ている、その点こいつらと居ると気が楽で良いのかも知れない。 そして篠田だけが分かるアニメロードを歩きいつもは曲がらない角を曲がり、いつもは登らない坂を登り、そして…いつもは渡らない交差点に差し掛かった。 この時俺は篠田との誘いを断り、いつもの帰り道をいつも通りに歩き、いつも通りに帰宅していればこんな気持ちにならなかったのかも知れないな…。
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