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沢山の人が横断歩道を歩いている中で俺は見つけてしまった。
あの~あの~と歩いている人達に声を掛けている一人の幽霊。
本当に今日は幽霊をよく見るななんて思い、すれ違い様にその幽霊にボソリと呟く。
「お前早く成仏しろよ…この世に未練なんて残して置くもんじゃないぞ」
『えっ?待って』
驚いた顔で幽霊から声を掛けてきたがそんな事はシカト、幽霊に関わるとろくな事がないからだ。
あれは何時だったかな、俺が小学5年の時母方の祖父の家の田舎の川で遊んでいたら女の若い幽霊に足を引っ張られ溺れかけられそうになったり、展望台で風と戯れていたら中年の幽霊に背中を押され突き落とされそうになったりと、幽霊と関わってろくなことがないのだ。ってか命の危険を感じる。
何か言った?と石田の問いに何もと言い目的の何とかランドへ向かった。
『あの人私の姿が見えるの?
助けて…
お願い…
怖いよ…
淋しいよ…。』
信号は青から赤にかわり車が行き交うそしてその幽霊はその場にしゃがみ込み肩を震わした。
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